文理選択の紙が配られる時期になると、教室の空気がちょっと変わりますよね。
で、まわりを見渡すと「とりあえず理系にしとく」っていう人がやたら多い。実際ここ数年、理系を選ぶ生徒は増えています。PingPointに来る高1・高2の相談も、理系寄りの子が明らかに増えました。
なんでこうなってるのか。今日はそのあたりを話してみます。
国が、けっこう本気で理系を増やしにきてる
まず知っておいてほしいのが、これ、生徒側の気分だけの話じゃないんです。
わかりやすいのが「女子枠」。理工系の学部で、女子だけが出願できる入試枠のことですね。2023年度入試あたりから一気に増えて、2026年度入試では国公立だけで38大学49学部にまで広がりました。
東京科学大(旧・東工大)は2026年度で154名分。京都大学や大阪大学も新しく導入しています。
背景にあるのは、日本の理工系の女子比率がOECDのなかで最低水準だという事実。研究者に占める女性の割合も17.5%で、これも群を抜いて低いんだとか。国としてなんとかしたい、というわけです。
正直なところ、この流れはまだ続きそうです。理系を選ぶこと自体が、数年前より通りやすい道になってきているのは間違いないと思います。
就職に強いって、ほんとなの?
これ、よく聞かれます。
ざっくり言うと、強いというより「読みやすい」。理系、とくに情報系や電気電子、機械あたりは、企業がほしい人材像がはっきりしています。だから採用の枠も安定していて、推薦で決まるケースもある。
文系が弱いという話ではありません。ただ文系は、総合職の枠を大勢で取り合う形になりやすい。同じくらい頑張っても、結果のブレが大きいんですよね。
先が読みにくい時代だから、読みやすいほうに人が流れる。理系人気の正体って、けっこうこれなんじゃないかなと思っています。
また理系の人場合は大学院進学も現実的な進路です。文系は1割程度にもかかわらず理系は国公立大学であれば7割程度院に進学します。これがどういいか、というと急な不景気(近年でいえばコロナショックなど)が起きたときに大学院に逃げるという選択が取れます。文系だとそれができない。自分の年にたまたま景気が悪い1年が来たとして新卒採用が絞られても、狭い枠を奪い合って戦うしかありません。しかし理系は2年後、ドクターまで行けばさらに後に就職を持ち越すことが出来ます。新卒というカードを持ったままね。そのあたりも理系が就職に強い一因です。
お金の話もしておきます
ここだけの話、高校生にいちばん刺さるのはこの話題だったりします。
京都大学などの研究グループが調べたところ、理系出身者の平均年収は約681万円。文系の約583万円より、100万円ほど高いという結果が出ています。
しかもこの差、25歳の時点では60万円くらいなのに、60歳では168万円まで開いていくんだとか。別の調査(RIETI)でも理系が約600万円、文系が約559万円で、やっぱり理系が上でした。
理由のひとつが大学院です。難関国公立の理系だと、8〜9割が院に進むことも珍しくありません。院卒は初任給の時点で学部卒より高く設定されていることが多いですし、研究開発職みたいな専門職に就きやすい。
もちろん「理系にすれば稼げる」なんて単純な話ではないです。でも、選べる道の幅が広がるのはたしかかなと。
で、理系はしんどいのか
はい、しんどいです。ここは正直に言います。
理系科目って、積み上げなんですよね。数IIBがあやしいまま数IIIに入ると、ほぼ確実に詰みます。物理も化学も同じで、前のつまずきを引きずったまま進むと、高3で全部returnしてくる。
だから理系志望の子は、塾に来るのが早いです。PingPointでも、理系志望の生徒ほど高1や高2の前半からスタートしている傾向がはっきり出ています。文系志望より半年から1年くらい早いイメージ。
これ、意識が高いからというより、必要に迫られて、という感じ。ただ結果的に、早く始めた人ほど高3の夏に余裕があります。
迷ってるなら、数学と英語から
文理をまだ決めきれていない人。焦らなくていいです。
ただ、どっちに転んでも必要になる科目が2つあります。数学と英語。
- 英語は文理関係なく配点が大きい
- 数学は理系なら当然、文系でも国公立や一部の私大で使う
つまりこの2つを固めておけば、あとからどちらを選んでも損しないんです。
逆に言うと、決まってから動き出すと出遅れます。「決まってないから始められない」じゃなくて、「決まってないからこそ数学と英語」。ここは覚えて帰ってください。
早慶の理系を狙うなら、高2で理科を1科目
もう少し先の話も。
早慶あたりの難関理系を本気で考えているなら、高2のうちに理科を1科目、ある程度かたちにしておきたいところです。
理由は単純で、高3から理科2科目を同時に仕上げるのは時間的にかなりきついから。1科目でも先に片づいていると、高3の負担がまるで変わります。
PingPointから難関理系に受かっていく生徒を見ていても、だいたいこのパターンです。特別なことをしたというより、着手が早かった。それだけなんですよね。
さいごに
理系人気って、なんとなくのブームじゃなくて、国の政策も就職も給料もぜんぶ絡んだ流れです。だから当分は続くと思います。
とはいえ、人気だから選ぶ、では続きません。理系は積み上げが効くぶん、途中でやる気を失うときついので。
「なんか面白そう」くらいの興味と、早めの着手。この2つがあれば、理系はけっこう楽しい道だと思いますよ。
PingPointは理系教科の指導実績が豊富で、成績を引き上げるノウハウを持っています。文理で迷っている段階のご相談も大歓迎です。気軽に声をかけてください。
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