「経済と経営って、何が違うんですか」
文理選択が終わって、次は志望学部を、という時期になると必ず出てくる質問です。そこに商学部まで入ってくると、もう何が何だか分からなくなりますよね。
実はこの3つ、名前が似ているだけあって中身も重なっています。ただ、入試で使う科目が変わってくるので、高1・高2のうちに違いを知っておく意味はけっこう大きいです。
3行で結論
- 経済学部 … 世の中全体のお金の流れを、理論とデータで分析する
- 経営学部 … 企業をどう動かすかを、戦略や組織の視点から学ぶ
- 商学部 … 商品やサービスが売れる仕組み、会計や流通を実践的に学ぶ
経済は「社会」、経営は「会社」、商は「商品」。この3語を覚えておけば、だいたい説明できます。
経済学部は、文系のなかでいちばん理系っぽい
経済学部で扱うのは、景気、物価、失業率、貿易、税制といったテーマです。国や社会全体を対象にします。
ここで大事なのが、経済学はけっこう数学を使うということ。グラフと数式が当たり前に出てきますし、統計を扱う授業もあります。文系のなかでは、限りなく理系に近い学部と言っていいと思います。
入試にもその傾向が出ています。たとえば早稲田大学の政治経済学部が入試で数学を必須にしたとき、志願者数が減るということが起きました。大学側が「数学ができる学生に来てほしい」と考えているということですね。
数学から逃げたくて文系を選んだ、という人には正直しんどい場面があるかもしれません。逆に数学が嫌いじゃないなら、経済学部はかなり相性がいいです。
経営学部は、もっと実践寄り
経営学部が対象にするのは企業です。どういう組織をつくるか、どう人を動かすか、どんな戦略で競争するか。ケーススタディといって、実在の企業の事例を分析する授業も多くあります。
経済学部に比べると、数学を使う頻度は低めです。まったく使わないわけではないのですが、数字が苦手な人でもやっていける学部だと思います。
「会社のことを学びたい」「将来は自分で何かやってみたい」というタイプなら、経済より経営のほうが面白く感じるはずです。
じゃあ商学部は? 実は経営学部とほぼ同じです
ここが混乱しやすいところなのですが、商学部と経営学部で学ぶ内容は、かなり近いです。マーケティング、会計、流通あたりが中心になるのは共通しています。
では、なぜ名前が2つあるのか。
ざっくり言うと歴史の違いなんだとか。古くからある大学が伝統的に「商学部」という名前を残していて、あとから新しくつくった大学は「経営学部」と名付けているケースが多い、ということのようです。
なので「商学部と経営学部、どっちがいいですか」という質問には、あまり意味がありません。大学ごとにカリキュラムを見て判断してください。同じ「経営学部」でも、大学によって中身はけっこう違います。
ひとつだけ傾向を挙げるなら、会計士や税理士を目指す人は商学部を選ぶことが多いです。同じ目標の人が集まりやすく、大学側のサポートも手厚い場合があります。
気になる就職先は、どうなの?
結論を先に言うと、この3つで就職先に大きな違いはありません。
金融、メーカー、商社、IT、コンサル。どの学部からも同じような業界に進んでいきます。「経済学部だから銀行」「商学部だから商社」みたいなことは、実際にはほぼないです。
ただ、文学部や法学部と比べると、この3学部は学んだことが仕事に直結しやすいぶん、企業から求められやすい面はあります。
目指せる資格も似ています。公認会計士、税理士、ファイナンシャルプランナー、中小企業診断士あたりは、どの学部からでも狙えます。
なので「就職で有利なほうを選ぼう」という発想は、この3つに関してはあまり機能しません。4年間ちゃんと興味が持てるほうを選ぶのが正解だと思います。
「入ってから変えればいい」は危険です
これはぜひ知っておいてほしいところ。
転部・転学科の制度がある大学は確かにあります。東京大学や早稲田大学にもあります。ただし実際のハードルはかなり高いです。成績上位者だけが対象で、認められるのは毎年数名程度、というのが現実です。
つまり「とりあえず受かったほうに行って、あとで変えればいいや」という作戦は、ほぼ通用しません。出願の時点で、ある程度は決めておく必要があります。
結局、どう選べばいいのか
迷ったときの目安を書いておきます。
- 数字やデータを扱うのが嫌いじゃない → 経済学部
- 会社やビジネスの仕組みに興味がある → 経営学部・商学部
- 会計士や税理士を考えている → 商学部
- 正直まだ分からない → 大学ごとの授業科目一覧を見る
最後のやつ、地味ですがいちばん効きます。大学のサイトには、1年生から4年生まで何を履修するのかが全部載っています。そこに並んでいる科目名を見て「面白そう」と思えるかどうか。これが一番確実な判断材料です。
オープンキャンパスの模擬授業に出られるなら、それも大きいですね。
高1・高2が、今やっておくといいこと
学部がまだ決まらなくても、やることは決まっています。数学と英語です。
英語は3学部とも必須。これは間違いありません。
問題は数学のほうです。経済学部を視野に入れるなら、数学は避けられません。しかも「入試で使うかどうか」だけでなく「入学後についていけるかどうか」の話でもあります。
それに、数学を使う入試方式を選べるようにしておくと、受験校の選択肢そのものが広がります。同じ学部でも、数学で受けられる方式のほうが倍率が低いケースは珍しくありません。
逆に言うと、高2の途中で「数学は捨てる」と決めてしまうと、あとから経済学部を志望しづらくなります。決めるのは、もう少しあとでいいです。
さいごに
経済・経営・商の違いは、ざっくり言えば「社会・会社・商品」。就職先はほとんど変わらず、学ぶ内容だけが違う。だから「自分が4年間やりたいほう」で選んでください。
そして学部を決めるより先に、数学と英語を進めておくこと。どこに転んでも無駄になりません。
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