「単語帳は2冊目に入った。文法の問題集も一周した。なのに長文は時間が足りないし、リスニングは何度聞いても霧の中」——英語の相談で、最も多く聞く言葉です。やることはやっている。それでも点が動かないのは、なぜなのか。
今回は、PingPointで英語を担当する講師2名に、同席してもらう形で話を聞きました。顔と名前は伏せる条件です。取材のあいだ、2人は何度もお互いの言葉を引き取り、続きを足しながら答えてくれました。打ち合わせなしでそれができる理由は、記事の後半でわかります。
取材した講師
講師E早慶上理出身。英語担当。
講師FMARCH出身。英語担当。
いずれも学習塾akamon labで学んで難関大学に合格した卒業生で、在籍時は帰国子女の講師から英語を学んだ。akamon labの選抜と授業確認を経てPingPointの講師となり、担当生徒には原則固定でつく。
目次
Q1. 「単語も文法もやったのに、長文もリスニングも伸びない」——何が起きているのですか。
講師E目だけで勉強している、というのが答えです。英語は言語なので、本来の学び方は決まっています。語彙を覚え、文法を学んで文の構造を理解し、そのうえで耳で聞き、声に出して再生してみる。ところが独学の受験生の勉強は、最初の2つで止まっているんです。単語帳と問題集、つまり黙って読む作業だけで英語を仕上げようとしている。言語の勉強から、聞く・話すという半分が丸ごと抜け落ちています。
講師F読解にもその歪みは出ます。構造を取らずに、知っている単語の意味を拾って雰囲気でつなぐ読み方になる。声に出して英語を処理した経験が少ないと、英語を英語の語順のまま受け取る回路が育たないので、返り読みばかりで時間が足りなくなる。長文とリスニングの不調は別々の問題に見えて、根っこは同じです。私たちがよく言うのは「英語力は耳で決まる」。この一言に尽きます。
Q2. その状態に、なぜ独学や映像授業では気づけないのでしょう。
講師E独学や映像授業では、聞けても話せないからです。映像は聞く素材をいくらでも与えてくれますが、あなたが発した英語は一度も聞いてくれません。声に出しても、話し方が間違っていることに自分では気づけないし、指摘してくれる人もいない。間違った音のまま覚えた単語は、本番のリスニングで流れてきても別の単語にしか聞こえません。
講師F読解のほうにも、気づけない仕掛けがあります。英語は選択形式の問題が多いので、なんとなくで当たってしまうことが多いんです。丸がつけば、本人はもちろん疑わない。でも根拠を説明できない正解は、切り口を変えられた瞬間にバツに変わります。雰囲気の読みと間違った音は、どちらも独学の丸付けでは絶対に表面化しない。だから何冊やっても、原因だけが残り続けるんです。
Q3. 聞く・話すまで扱うとなると、オンラインで英語を教えられるのか気になります。
講師Eむしろ英語は、オンラインと最も相性のいい科目です。授業の中心は、読んでもらう、訳してもらう、聞いて再生してもらうという声のやり取りなので、極端な話、音声さえつながれば授業は成立します。手元を映すカメラやタブレットのような機材は、英語では用意しなくて構いません。全科目でいちばん始めるハードルが低いはずです。
講師Fただし、解いた答案の写真をLINEで送ってもらう運用は、英語でも全員共通です。英作文の添削や、選択肢の検討の跡を見るには書いたものが要りますから。授業の前に、質問したい英文や解いた問題を送っておいてもらえれば、こちらは分析を済ませてから2時間を始められます。声と写真、この2つで英語の指導は完結します。
Q4. 授業は具体的にどう進みますか。
講師E1回2時間、月4回が基本の枠です。こちらで用意したチェック問題に取り組んでもらうのに加えて、単語・熟語のチェックを毎回行います。語彙は英語の土台なので、たまにではなく毎回、点検する。そして授業の中で必ず、耳で聞いて声に出して再生する時間を取ります。読んで終わりの英文を作らないことが、この塾の英語の約束事です。
講師F読解問題では、正解していても通しません。なぜその選択肢が正解なのか、根拠の文はどれか。それに加えて、ほかの選択肢がなぜバツなのかまで説明してもらいます。なんとなく当たった正解を放置すると、切り口の違う問題で同じ知識がバツに化けるからです。どの角度から攻められても崩れないところまで育てる。もちろん進め方自体は柔軟で、定期テストや入試が近ければその対策を優先しますし、要望があれば順番を組み替えます。
Q5. 月4回の授業以外の日は、どう勉強すればいいですか。
講師E宿題は生徒ごとに設計します。語彙に穴がある段階、読み方を直している段階、過去問で演習を積む段階では、やるべきことが全然違うからです。ひとつ共通しているのは、単語・熟語は毎回の授業でチェックが入るので、家庭学習の軸として自動的に回り続けるということです。やってこなければ、次の授業の冒頭で必ず分かりますから。
講師F授業のない日にわからない問題が出たら、LINEで送っておいてもらいます。回答は次の授業の冒頭でまとめて行うのが基本で、事前に届いていれば準備したうえで扱えます。自宅学習をさらに細かく見てほしい場合は、別料金のサポートオプションもあります。教材は基本的にPingPointのオリジナルテキストで、使い慣れた市販の単語帳や問題集があればそちらに合わせることも可能です。オンラインでは同じ教材が互いの手元にないと不便なので、必要に応じてこちらから購入をお願いする場合があります。
——英検やTOEICのような外部検定には対応しますか。
講師Eまず、普段の指導を受けているだけで、特別な検定対策をしなくても英検準2級は取れる水準に仕上がります。言語として聞く・話すまで鍛えているので、検定とのずれが小さいんです。上のケースでは、当塾の普段の指導を受けてきた生徒が、高校2年の終わり頃にTOEICで850点近くを取った例もあります。いまは英検などの外部試験のスコアを加算して一般入試に挑む方式が増えているので、外部試験対策にも力を入れています。
※編集部注:スコア・取得級は一例であり、すべての生徒に同様の成果を保証するものではありません。
Q6. 指導が入り始めた生徒には、どんな変化が表れますか。
講師E音が先に変わります。授業で英文を読んでもらうと、つっかえる場所が減り、意味の切れ目で区切って読めるようになる。音がなめらかになった生徒は、英語を英語の語順のまま処理し始めているので、長文の返り読みが減って、時間内に読み切れるようになります。点数より先に、声でわかるんです。
講師Fもうひとつは、答え方です。「なんとなくこれ」だった生徒が、「根拠はこの文で、この選択肢は本文のここと矛盾するからバツ」と、消去の理由まで言えるようになる。ここまで来れば、初見の問題でも問われ方が変わっても崩れません。英語は生まれつきの才能や留学経験の科目ではなく、正しい順番で積めば誰でも伸びる科目です。
Q7. 同席で伺っていると、お二人が互いの言葉を引き取りながら答えるのが印象的です。教え方は、講師によって変わらないのですか。
講師E変わりません。私たちは全員、生徒としてakamon labの授業を受けて合格した卒業生で、akamon lab側が「人に教えられる水準まで理解している」「講師に向いている」と判断し、授業の進め方の確認まで通った人間だけが教えています。土台が同じだから、隣で話を引き取っても方向がずれないんです。
講師F変えるのは、生徒に合わせるときだけです。語彙の穴、読み方と音の癖、部活や学校との兼ね合い。合わせる相手は常に生徒で、導く先の学び方はひとつ。担当は原則固定なので、つかんだ癖を最後まで自分の手で直し切れます。
——お二人は帰国子女ではなく、akamon labで英語を学んだ側なのですね。
講師Eそうです。私たちが教わったのは、帰国子女で外語大出身の先生でした。実際に外国人との交友が広くて、話もウィットに富んでいて、教科書の中ではなく生きた言語としての英語を使っている人。その先生から、英語は目で覚えるものではなく、耳と口を使って身につけるものだと叩き込まれました。私たち自身がゼロからその学び方で伸びた側なので、才能に頼らずに再現できることは、身をもって知っています。
——校舎を構える塾より費用が抑えられているのも、仕組みの話でしょうか。
講師Fそのとおりです。オンライン専業なので、校舎の賃料や維持費という支出が最初からありません。浮いた分が価格に反映されているだけで、指導の中身は削っていません。
Q8. 最後に、いま英語で伸び悩んでいる受験生へメッセージをお願いします。
講師F単語帳を3冊目に増やす前に、耳と口を使ってください。英語力は耳で決まる、と私たちは繰り返し言い続けています。声に出して、間違えて、直される。言語の勉強とは本来そういうもので、黙って机に向かうだけの英語は、どこかで必ず止まります。入試も言語の試験です。根拠は本文の中にあり、正解は必ずひとつ。感覚ではなく、正しい学び方の順番にはまることが最短ルートです。
講師Eそして、間違った音と雰囲気の読み方は、自分では絶対に気づけません。本人にとっては、それが当たり前になっているからです。独学で積み上げてきた人ほど、一度でいいので、誰かの前で英文を音読して、訳してみてください。伸び悩みの原因は、その一文にすべて表れます。
編集部あとがき
同席での取材にもかかわらず、2人の答えは互いの言葉を継ぎ足しながら、最後にはひとつの説明として完成していきました。理由はQ7のとおりです。同じ場所で同じ先生から学んで合格し、同じ基準で選ばれた講師が、生徒ごとの事情に合わせながら同じ学び方へ導く。英語を「目だけの科目」にしないことが、PingPointの英語指導の出発点です。
なお、体験授業は事前のご連絡の際に「やってほしいこと」を伝えていただければその内容で、特にご要望がなければ塾側で用意した内容で行います。始める時点の状態は一人ひとり違うため、対応もそれぞれに合わせる形です。「まず音読を聞いてほしい」「長文が読めない原因を見てほしい」という頼み方をしていただいても構いません。
その英語、目だけで勉強していませんか
PingPointは、学習塾akamon labの選抜を経た講師陣が、完全双方向の1対1で指導するオンライン個別指導塾です。英語は音声がつながれば受講でき、特別な機材は必要ありません。学習状況のご相談から体験授業の内容のご要望まで、無料相談でお気軽にお聞かせください。全国どこからでも受講いただけます。
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