大学選びにおいて「将来の進路」は大きな判断材料のひとつです。特に理系志望の方や、すでに理系学部に在学している学生にとって、どのような専門分野を学べるのか、卒業後の進路にどんな選択肢があるのかは気になるところでしょう。
この記事では、東京都内の有名私立大学である立教大学の理学部について詳しく紹介していきます。学科の内容、カリキュラムの特色、就職状況、そして理学部と理工学部の違いについても解説します。進学を考える方や在学中の学生の進路選びの参考になれば幸いです。
立教大学には、観光学部や異文化コミュニケーション学部などユニークな学部も含め、計10学部が設置されています。そのなかで、理系分野を専門とする学部は「理学部」のみです。
理学部は、文学部や経済学部に次いで設立された歴史ある学部で、東京・池袋キャンパスに拠点を置いています。理学部は以下の4学科で構成されており、それぞれが自然科学の基礎と応用を深く探究しています。
大学選びの段階で混同しやすい「理学部」と「理工学部」。この違いを明確にしておきましょう。
理学部は、自然の原理や法則を解明することを目的とした、基礎研究を重視する学部です。対象となるのは数学、物理、化学、生物といった「理科」そのもの。まだ世の中で完全に解明されていない謎に対してアプローチし、知識の最前線を切り拓くことが目的です。
一方、理工学部は、理学部で学ぶ自然科学に加えて「工学=応用技術」の要素が加わります。つまり、既存の科学的知見を土台として、それを活かして新しい製品や技術を生み出すことに重きを置いています。
簡単にまとめると、
となります。理学部では研究者や教員、理論開発に進む人が多く、理工学部はエンジニアや技術職への就職率が高い傾向にあります。立教大学では探求の部分をあつかう理学部しか存在していません。
数学科では、代数学・幾何学・解析学といった純粋数学を中心に、計算機科学や情報数学などの応用分野も学ぶことができます。少人数教育が徹底されており、教員と学生の距離が近いのも魅力です。
現代社会においては、金融業界やIT業界をはじめ、数学の知識をベースとした職種が増加しています。そのため、論理的思考力を武器に、データサイエンスやソフトウェア開発など多彩な分野に活躍の場が広がります。
物理学科では、ミクロからマクロまで幅広い領域をカバー。宇宙論、素粒子論、相対性理論などの理論分野から、人工衛星や加速器を使った観測実験まで、最先端の研究に触れられます。
日常生活に密接に関わる技術、例えばGPSや通信技術などの裏側にも、物理学の理論が応用されています。卒業後は大学院進学者が多い一方で、情報サービス業界や製造業への就職実績も高いです。
化学科では、分子構造・性質・反応などをテーマに、実験を通して理解を深めていきます。医療、食品、繊維、エネルギーと、化学が関わる分野は非常に広く、応用化学や環境化学もカリキュラムに組み込まれています。
最終学年には、ナノ分析や医療計測に関する研究を行う研究室に所属し、実践的なスキルを磨く機会が設けられています。
生命理学科は、分子生物学、生物化学、分子細胞生物学の3本柱を軸に、生命現象の本質に迫る学問です。ゲノム解析や分子解析など、データ駆動型の最新研究が行われており、近年注目を集めています。
医療・製薬分野への進路に強く、バイオテクノロジー企業や研究機関への就職率も高いのが特徴です。
立教大学理学部では、就職希望者のほとんどが内定を獲得しており、就職率は97%を超える高水準を誇ります。以下は学科ごとの主な進路です。
理学部は、研究職だけでなく産業界への就職にも対応できる柔軟なカリキュラムが組まれているため、進路の幅が広いのが強みです。
学科ごとに入試科目の配点が異なります。受験に向けて自分の得意科目が有利に働く学科を選ぶことも大切です。
学科 | 数学 | 理科 | 英語 |
---|---|---|---|
数学科 | 200点 | 100点 | 100点 |
物理学科 | 150点 | 150点 | 100点 |
化学科 | 100点 | 150点 | 100点 |
生命理学科 | 100点 | 150点 | 100点 |
たとえば数学が得意なら数学科、理科の実験が好きなら化学科や生命理学科が向いているかもしれません。
立教大学理学部のある池袋キャンパスは、自然豊かな環境と、洗練された都市機能が共存しています。校舎の外壁に絡む蔦や手入れの行き届いた緑は、季節の変化を感じさせ、学業に集中できる快適な空間を演出しています。
また、学内の移動距離も適度で、ストレスフリーな設計となっており、日々の講義にスムーズに参加できます。施設の清潔さも魅力のひとつで、トイレや学食といった生活設備が常に整備されていることも、学生生活の質を高めています。
留学生が多く在籍している点も立教大学ならではの魅力です。国際的な交流の機会が豊富であり、自然と異文化理解や英語でのコミュニケーション力が育まれていきます。理学とグローバル社会をつなぐ視野を養うには、理想的な環境といえるでしょう。
立教大学理学部では、少人数教育、充実したカリキュラム、洗練された学習環境のもと、学生一人ひとりが自身の興味や関心を深めることが可能です。ただし、科目によっては単位取得の難易度が高いものもあり、綿密な学習計画が必要です。
大学生活を「なんとなく」過ごすのではなく、自分の将来像を描いたうえで、どんなスキルを身につけるべきかを考えながら学ぶ姿勢が、4年間をより充実させる鍵となります。
理系進学を考えている方、あるいは在学中で進路に悩んでいる方にとって、この記事がひとつの指針となれば嬉しく思います。
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