11月から始める共通テスト対策について解説します。
「共通テストの対策はいつから始めるべきか」と多くの受験生が疑問を抱きます。共通テストはセンター試験に代わり、試験内容にさまざまな変更が加えられたものです。そのため、従来のセンター試験と同じ対策では高得点を狙うのが難しくなっています。
共通テストでは、『思考力』が問われる問題が多く、日常の事象を取り入れた出題や複合的な読解が必要です。これにより、標準的な問題集だけでは十分な対策になりにくいことが特徴です。しかし、最も重要なのは『基礎力の定着』です。高難度の問題も存在しますが、全体の得点を安定させるには、基礎を固めることが不可欠です。
対策を始める前に、自分が志望する大学の配点を確認し、共通テスト対策と二次試験対策のバランスを決めましょう。たとえば、共通テスト900点、二次試験400点の大学では共通テストの影響が大きいため、早期に共通テスト対策に着手する必要があります。一方で、共通テスト300点、二次試験600点の大学では二次試験対策に比重を置くことが適切です。このように、志望校の配点比率を理解して、最適な対策スケジュールを組み立てましょう。
11月から共通テスト対策を本格化させると、基礎知識を再確認しつつ、過去問や応用問題に取り組む時間が確保できます。学習を続ける上で重要なのは『継続』です。毎日少しずつでも基礎を反復して、知識を定着させましょう。
勉強時間の配分は目指す学部や学科によって異なります。例えば、私立文系志望の場合、社会科20%、英語50%、国語30%の割合で時間を使うのが効果的です。具体的には、1日10時間勉強するとしたら、社会に2時間、英語に5時間、国語に3時間という配分です。社会は11月からの勉強でも間に合うため、最初は英語の強化を優先するとよいでしょう。
国公立文系を目指す場合、社会10%、英語40%、国語30%、数学20%の配分が推奨されます。国公立理系の場合、英語30%、数学30%、理科(理科1が20%、理科2が20%)の配分が適しています。苦手科目がある場合は、自分の状況に合わせて柔軟に時間配分を変更してください。
12月から試験直前の期間はアウトプットを中心に学習を進めましょう。過去問を解くことで、問題の出題傾向をつかみ、自分の弱点を把握することができます。解答後は、自分の失点した箇所を分析し、教科書や分野別の参考書を活用して弱点を補強してください。再度過去問を解き、改善点が克服できたかを確認するプロセスを繰り返すことで、確実な得点力を身につけます。
国語は思考力、表現力、判断力が必要とされる問題が多いです。2025年度からは「近代以降の文章」が加わり、大問数が5題に増え、試験時間も90分へと延長されます。これに対応するためには、さまざまな形式の文章に触れ、テーマや主題を正確に把握する力を養うことが求められます。
2025年度からの変更で、地理総合や歴史総合が導入され、現代社会が廃止され「公共」に置き換わります。試験時間は変わらないため、限られた時間内により多くの問題を解く必要があり、効率的な知識習得が求められます。試作問題を繰り返し解くことで、新形式に慣れていきましょう。
数学は数学II、数学B、数学Cの範囲が拡張され、試験時間も10分延長されます。広範囲にわたる問題に対応するため、早めの基礎固めと応用力の養成が必要です。苦手分野は重点的に克服し、試験時間を意識した演習を行いましょう。
理科の共通テストでは大きな変更はないものの、基本的な知識と応用力を重視して対策を進めてください。知識をしっかり定着させ、応用問題への対応力を高めることがポイントです。
英語の共通テストでは、リーディングとリスニングの対策が不可欠です。出題範囲は「コミュニケーション英語I、II、英語表現I」から「英語コミュニケーションI、II、倫理・表現I」へ変更されます。日常的に英語の音声に触れる習慣をつけ、リスニング力を高めましょう。リーディングでは、長文読解の訓練を積み、要点を素早く把握する力を養います。
試験当日に慌てることなく、時間管理を徹底するために、本番と同じ時間配分で問題を解く練習をしてください。これにより、試験当日のパフォーマンスを最大限に発揮できるでしょう。
共通テスト対策の鍵は、自分の志望校に合わせたスケジュールと効率的な学習方法です。11月から基礎の見直しをし、12月から過去問演習を本格化させ、弱点を克服することで高得点を狙いましょう。早期に準備を開始し、バランスの取れた学習計画を立てて、試験本番に臨んでください。