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私立大、2040年までに「4割減」へ ― 受験生への影響は

私立大、2040年までに「4割減」へ ― 大学全入時代の終わりが近づいています

「大学に行きたい人はみんな入れる」と言われてきた時代が、いよいよ転換点を迎えそうです。文部科学省は、私立大学の数を大きく絞り込む適正化の方針を示しました。受験生の皆さんにとって、進路選びの前提が確実に変わり始めています。

2040年までに私大は「217〜372校」へ縮減の方針

2024年時点で全国に624校あった私立大学について、文部科学省は2040年までに217〜372校程度まで減らすという適正化の目標を打ち出しました。単純計算で、少なくとも252校、およそ40.4%にあたる数が縮減の対象となる規模です。背景にあるのは18歳人口の急減で、経営が成り立たない大学を無理に支え続けるよりも、私学助成などを見直して必要な大学に資金を集中させたい、という国の考え方があります。

ポイントを簡単に整理すると、次のようになります。

  • 2024年の私立大学数:624校
  • 2040年の目標値:217〜372校
  • 縮減が必要とされる学校数:少なくとも252校(約4割)
  • 今後15年を見据えた、長期の再編シナリオ

「大学」の授業内容への疑問

縮減の議論の背景には、一部の定員割れ私立大学で行われている授業内容への疑問もあります。ある大学のシラバスでは、数学では四則演算から始め、微分などは「理解できれば」というレベル、英語では「文型の基本とbe動詞の基本的な機能を整理」するところから扱うケースがあるといいます。

「Fラン大学」を税金で支える歪み

本来、小学校や中学校、高校で身につけておきたい内容を大学で改めて学び直している実態があるわけです。勉強する意欲がなく、なんとなく大学に進学する人まで税金で支えることに意味があるのか、という議論が強まっているのは、こうした事情があるからです。大学全入時代の「ひずみ」が、数字と現場の両面で見えてきたともいえます。不況が続く中、小中高で学ぶことをやり直す大学の面倒を見る余裕はないよ。ということは至極まっとうにも思えます。

医学部も例外ではない ― 2027年度から定員削減へ

人気が続いてきた医学部についても、削減要請の対象となっています。厚生労働省は2027年度から大学医学部の定員を削減する方針を示しており、将来的な人口減少に伴って医療の需要も縮小することが理由とされています。2025年度の医学部総定員9393人を基準に、地域の事情に配慮しつつ全体として数を絞っていく流れです。

特に医師多数県の臨時定員を減らし、医師少数県に振り替える調整も引き続き検討されています。医学部志望の方にとっては、都市部の難関校で競争がこれまで以上に激しくなる可能性があるという点が、気になるところではないでしょうか。

理系人材には「1校40億円」の集中投資

一方で、すべての大学が縮小方向というわけではありません。文部科学省は、理系人材の確保に向けて、都市部の大規模私立大学を中心に1校あたり最大40億円程度の財政支援を行う方針を打ち出しています。対象として想定されているのは、文系学部の縮小や理系分野の履修促進、文理融合型のカリキュラム改革、地域に必要なエッセンシャルワーカーの育成などに取り組む大学です。

つまり、「全体を薄く支える」から「必要なところに力を集中する」への方向転換が進んでいるわけです。

受験生への影響は ―

直近の入試にいきなり大きな変化が起こるわけではありません。ただ、少しずつ定員は絞られ、経営が厳しい大学から募集停止や統合が進むと見られています。いわゆる就職予備校のような機能に寄ってしまっていた大学教育のあり方そのものにも、メスが入る可能性があります。

「学びたい人が大学へ」という原点へ

政府も勉学を無意味と捉えているわけではなく、高校無償化や多子世帯を対象に、所得制限なしで大学の授業料と入学金を無償化を実施するなど勉強する意欲の高い人には障壁を取り払って投資をしようと動いています。

見方を変えると、「学びたい人が大学に進む」という本来あるべき姿への回帰ともいえます。大学全入時代の終わりは、受験生にとって選択肢の減少であると同時に、進学先をより丁寧に見極める時代の始まりでもあるのかもしれません。

学ぶ気はないが単位を取るためだけに大学に通い、授業中は寝たり、スマホゲームに勤しんだり、過去問を集めたり、レポートを写したり、aiに書かせたり、出席カードの肩代わりや代返をしていた大学の講堂も遠くない未来に様相が変わるのかもしれません。

参考文献

  • 読売新聞オンライン「都市部私大の理系拡充へ1校最大40億円支援…文科省」 https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20251112-OYT1T50057/
  • 毎日新聞「私大の3割、2040年度に資金不足リスク『特に高い』 文科省試算」 https://mainichi.jp/articles/20260217/k00/00m/040/124000c
  • 朝日新聞EduA「2027年度から医学部の定員削減、受験生への影響は?」 https://www.asahi.com/thinkcampus/article-111121/
  • ABEMA TIMES「定員割れ続く”Fラン大学”の価値は?簡単すぎる講義」 https://times.abema.tv/articles/-/10183450
  • 文部科学省「2040年を見据えて社会とともに歩む私立大学の在り方検討会議」資料 https://www.mext.go.jp/content/20251212-mxtsigakugy-000046352_03.pdf

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