理系を志望する高校生や保護者の中には、「MARCHや早慶と比べて、四工大ってどのくらいのレベルなの?」「日東駒専理系と何が違うの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
特に理系学部は文系とは異なる評価軸があり、「偏差値」だけではその真価を測れないことも。この記事では、理系に強みを持つ「四工大(芝浦工業大学・工学院大学・東京都市大学・東京電機大学)」の立ち位置や特徴、そしてよく比較される日東駒専理系(日本大学・東洋大学など)との違いを、わかりやすく解説していきます。
「四工大」とは、東京都内を中心にキャンパスを構える私立理系大学4校の総称です。
芝浦工業大学
工学院大学
東京都市大学
東京電機大学
これら4校は、理工系分野に特化し、産業界とのつながりや就職支援にも力を入れています。いずれの大学も理系専門教育を強みとしており、理工学部以外の学部は基本的に存在しない、いわば「理系に全振りした大学」です。
実際、これらの大学では工学、建築、情報、エネルギー、環境など実践的な技術分野において高い評価を受けており、特に企業との共同研究やインターンシップ制度も充実。理系学生にとっては、実社会との接点を持ちながら学べる環境が整っています。
大学選びでよく比較されるのが「偏差値」です。四工大と日東駒専理系を見比べると、全体的に四工大の方が高めの傾向があります。
例えば、
芝浦工業大学の建築学部や情報系学部では偏差値60を超えることもあり、MARCHの理系学部と肩を並べる実力です。
一方、東京電機大学や東京都市大学の一部学部は、偏差値50前後で日東駒専理系の上位学部とほぼ同程度という印象です。
ただし、偏差値は「一般入試の難易度」を示すものであり、推薦入試の割合が多い大学では偏差値が高く出やすい傾向もあります。偏差値だけでなく、教育内容や卒業後の進路も見たうえでの判断が重要です。
理系大学の価値は「就職先」で明確になります。特に四工大は、大手メーカーやインフラ企業、IT企業への就職実績が非常に優秀です。
芝浦工業大学では、2023年度の学部生就職率は99.6%。有名企業400社への就職率も30%を超えており、私立理系の中ではトップクラス。
東京都市大学や工学院大学も、建築・エネルギー・情報系などで安定した実績を残しています。
これに対し、日東駒専の理系学部はやや広範囲な業界への就職が多く、専門性が薄くなりがちな傾向も。ただし、卒業生の数が多いためOB・OGのネットワークは強力で、就職活動での情報収集に活かせる点はメリットです。
四工大のカリキュラムは「実学」に重きを置いています。理論よりも実践。現場で使える技術を学びたい学生にとっては、まさにうってつけです。
具体的には、
プログラミングやCAD、回路設計など、即戦力となるスキルを重視
学年が上がるにつれ、インターンや共同研究の機会が豊富
講義スタイルもアクティブラーニングを多く採用し、学びの定着を重視
一方、日東駒専の理系学部は、教養や基礎研究にも力を入れており、学問の幅を広げたい学生向き。研究室での自由度が高いことや、学際的なテーマを扱う学部があるのも特徴です。
もちろん四工大にも注意点はあります。
宿題や課題が多く、学業の負担が大きい
大学OBが少ないため、コネ就活がやや弱い
基礎理学(物理や化学など)を深く研究したい人にはやや物足りない
これらは、四工大があくまで「実学=就職重視」の大学群であるがゆえ。学問そのものを探究したい人には、日東駒専や旧帝大、地方国公立の理系学部の方が合っているかもしれません。
大学名 | 偏差値 | 特徴 |
---|---|---|
芝浦工業大学 | 52~64 | MARCH理系に近い偏差値。就職率99%超、スーパーグローバル大学 |
東京都市大学 | 51~61 | 有名企業就職率トップクラス。キャンパスが複数あり多彩な学部展開 |
工学院大学 | 52~59 | アクティブラーニング重視。情報・建築系に強い |
東京電機大学 | 48~58 | 夜間学部あり。機械・電子系就職に強い |
最後に、簡単に比較をまとめます。
項目 | 四工大 | 日東駒専(理系) |
---|---|---|
偏差値 | やや高い | やや低め |
就職実績 | 大手志向、専門性強 | 幅広い業界に対応、OBが強い |
学びの方向性 | 実践・就職重視 | 教養・研究寄り |
大学生活 | 勉強中心、課題多め | 比較的余裕あり |
理系としての将来を意識し、実務に強くなりたいなら四工大、研究や多様な学問に触れたいなら日東駒専理系がおすすめです。
自分の志望や将来像を明確にし、納得のいく進学先を選びましょう。