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Ping Point 記事

理系の受験生にとっての社会科目の選択
2024.09.09

理系の受験生にとって、社会科目の選択は悩ましいものです。地理、歴史、倫理・政治経済など、どの科目を選ぶかで勉強の方向性や時間配分が大きく変わるため、慎重に検討する必要があります。この記事では、それぞれの社会科目の特徴とメリット・デメリットを説明し、理系の学生にとって最適な選択を考察します。

地理B

まず、多くの理系受験生に選ばれるのが地理Bです。地理は理系的な思考を求められる科目であり、暗記量が少ないため、理系の勉強との両立がしやすいのが大きな特徴です。地理は統計やデータをもとに、世界の諸地域の特徴を探る科目であり、論理的な思考が必要です。数学や理科といった他の理系科目で鍛えた思考力を活かすことができるため、理系の受験生には非常に適しています。

しかし、地理にはデメリットも存在します。それは高得点が狙いにくい点です。暗記科目と異なり、思考力が問われる問題が多く、勉強量と得点が比例しにくいのです。問題によっては複雑な解釈を必要とするため、試験中に悩んでしまうことも少なくありません。それでも、地理的な思考に慣れれば、安定した点数を取れる可能性が高まります。

世界史B

次に紹介するのは世界史Bです。世界史は膨大な暗記量を必要とする科目で、特に理系の受験生には負担が大きいかもしれません。世界各地の歴史を広く浅く学ぶため、知識のインプットには相当な時間がかかります。その一方で、一度暗記してしまえば点数に結びつきやすく、安定して高得点を狙いやすいのがメリットです。

ただし、理系の勉強を優先すべき受験生にとっては、世界史の膨大な範囲をカバーする時間を確保するのは難しいかもしれません。特に、国立大学の入試で数学や理科に多くの時間を割く必要がある場合、世界史を選択するリスクは大きいです。

日本史B

日本史Bもまた、暗記量が多い科目ですが、世界史と比べて範囲が限定されているため、理系の受験生でも取り組みやすいかもしれません。日本史は小学校から学んできた内容が基礎となるため、親しみやすいというメリットがあります。また、歴史的な流れを理解していれば、比較的スムーズに勉強が進むでしょう。

しかし、日本史も暗記量が多く、理系の他科目との両立が難しくなる可能性があります。特に、数学や理科の勉強時間を削ってまで日本史に時間を割くことは、入試全体の戦略としては非効率かもしれません。

倫理・政治経済

次に紹介するのは倫理・政治経済です。この科目は、暗記さえしっかりと行えば安定して得点を取ることができる点が魅力です。特に倫理では、思想家や哲学の考え方を学びますが、これも暗記に依存するため、短期間で成果を上げやすい科目と言えます。また、政治経済では日本の政治や経済システムを学びますが、一般常識やニュースをチェックしていれば自然と知識が身につくこともあります。

デメリットとしては、学校で授業がない場合は独学で学ぶ必要があることや、大学によってはこの科目を選択できない場合があることが挙げられます。しかし、短期間で成果を出したい理系の受験生にとっては、十分選択肢に入る科目と言えるでしょう。

現代社会

最後に触れるのは現代社会です。現代社会は、倫理や政治経済に比べて出題範囲が絞られており、時事問題や常識で解ける問題が多いという特徴があります。そのため、普段からニュースや新聞を読んでいる学生には有利です。筆者の友人にも、現代社会の勉強をほとんどしていない状態で模試を受け、高得点を取った例があります。

しかし、現代社会は利用できる大学が限られているため、受験する大学の選択肢が狭まる可能性があることには注意が必要です。

最後に

社会科目の選択は、理系受験生にとって大きな課題です。各科目にはそれぞれのメリットとデメリットがあり、どの科目が最適かは個々の学習スタイルや得意分野によります。暗記が得意な受験生は倫理・政治経済や日本史を、思考力を活かしたい受験生には地理を選ぶと良いでしょう。自分の強みを活かしつつ、入試全体の戦略を練りながら科目を選択することが、成功への鍵です。