多くの人が、目や手を速く動かせば速く読めると勘違いしていますが、実はこれは全くの別問題です。試験や演習の際に、冊子を何度もせわしなく往復する生徒を見かけますが、こうした生徒は解答速度が遅いことが多いです。速読のコツは、「せわしなく読む」ことではなく、予測力を高め、効率的に読むことです。
文章を速く読むためには、次に何が書かれているかを予測する力が重要です。この予測力を高める方法としては、自分の関心のある分野の文章を多く読むことが効果的です。自分の趣味や専門分野に関連する文章は、理解が早く、読むスピードも上がります。
評論文では、具体例や前の文の換言については読み流しても構いません。チェックすべきポイントは「今までと違う話をしているか」の一点です。日頃から具体と抽象を切り分ける練習をすることで、評論文をすらすら読めるようになります。
小説では、登場人物の心情に関する場所と状況を探す意識で読むと、無駄なく速く読むことができます。ポイントを絞って読むことで、全体を読む時間を大幅に短縮できます。
これらの技法は、理解が浅くても良い場合に適しています。概要を素早く把握したいときに有効です。
一度にページ全体を眺めて本の全体像を把握し、要点を効率的に取り出す方法です。事前に読書の目的を明確にし、ページをめくるスピードを上げることで、多量の情報を高速で理解できます。
普段の読書のような理解度を維持しつつ、速く読む技法です。目の動きを円滑にし、文字の認識範囲を広げることで、読むスピードを向上させます。
速読は、「眼の機能を高める」「語彙や文法の基礎知識を持つ」「集中力を維持する」「内容を記憶する」など、基礎的な読書力が土台となります。これらの要素がしっかりしていないと、速読の効果は発揮されません。
多くの人は、読書の際に心の中で文字を音声化しています。これをなくすことで、読むスピードを格段に上げることができます。例えば、新聞を使って1行ごとに見て理解する癖をつけると、速読の感覚をつかみやすくなります。
一定間隔でテンポを刻むメトロノームやアプリを使い、そのリズムに合わせて読む練習をするのも有効です。
速読を習得することで、読書に対する自信が生まれ、語彙や知識の学習効率が上がります。また、長文に対する抵抗感が薄れ、難しい文章も読みやすくなります。速読は、ただ速く読むだけでなく、理解力や集中力の向上にも寄与します。
速読を学ぶことで、読書の楽しみを深め、学習やビジネスにおいても大いに役立つスキルとなるでしょう。