2024年10月1日、国立大学法人東京医科歯科大学と国立大学法人東京工業大学が統合し、新たに「国立大学法人東京科学大学」が誕生することが決定しました。この統合は、国立大学法人法の一部を改正する法律が成立したことにより実現しました。
今回の統合に至る背景には、現代社会が直面する多様な課題に対して、より大きな役割を果たすことが期待されている大学の役割があります。これまで、東京工業大学は理工学分野で、東京医科歯科大学は医歯学分野で、それぞれ卓越した教育・研究を行ってきました。両大学の強みを生かしながら統合することで、新しい大学の在り方を創出し、より広範な学知と技術の応用を目指します。
東京工業大学は、日本の工学系トップランクの国立大学であり、工学、理学、情報理工学、生命理工学、環境・社会理工学などの幅広い分野で高度な教育・研究を行っています。特に、産学連携と国際化の分野で強みを持ち、実践的な教育や研究の応用価値を高めるために産業界との協力関係を築いています。また、多くの留学生を受け入れ、国際的な交流と協力を推進しています。
東京医科歯科大学は、医学部と歯学部を中心に、医療に関連するさまざまな分野で高度な教育と研究を行っています。医学と歯学の両分野をカバーすることで、総合的な医療や歯科医療の研究や実践が可能です。また、がん治療、再生医療、遺伝子治療などの先端医療技術や治療法の研究で優れた成果を上げています。
統合後の東京科学大学は、これまでの両大学の伝統と先進性を引き継ぎながら、より高次な教育研究環境を提供します。特に、「医工連携」を進めることで、認知症やがんなどに有効な次世代薬の開発を目指す「中分子創薬コンソーシアム」を設立し、既存の薬では治療が難しい病気に対する次世代薬の開発を加速させる計画です。
東京科学大学では、2025年前期から「医歯理工融合教育プログラム」として、学生が興味・関心に応じて相互に履修できる授業科目を提供します。これにより、学生は幅広い知識と技術を身につけ、複合的な視点で問題解決に挑む力を養うことができます。
今回の統合により誕生する東京科学大学は、先駆的なガバナンスのもと、外部からの資源獲得を一層進め、学生・教職員の育成環境および教育研究環境を飛躍的に充実させます。これにより、社会と共に活力ある未来を切り開くための重要な一歩を踏み出すことになるでしょう。
この新しい大学の誕生は、日本の高等教育と研究の未来に大きな期待を抱かせるものであり、国際的にも注目される存在となることを目指しています。