大学選びを進めていくと、「日東駒専」という言葉を耳にする機会が多いでしょう。これは「日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学」の頭文字を取った大学群で、主に首都圏で一定の知名度と規模を誇る私立大学が集まっています。文系のイメージが強いこのグループですが、実は理系学部も数多く存在しており、進学先として十分に選択肢となる大学群です。
この記事では、「日東駒専の理系って正直どうなの?」という疑問に答えるべく、各大学の学部構成、偏差値、就職状況、さらには他大学群との比較までをわかりやすくまとめていきます。
日東駒専の中で理系学部が充実しているのは、日本大学と東洋大学です。駒澤大学や専修大学にも医療・福祉系の学部はあるものの、いわゆる「理工系」の色合いは薄く、進学先として考える際はこの2校が中心になると考えてよいでしょう。
日本大学は、国内屈指の学生数を誇るマンモス大学であり、理系分野にも強い大学です。以下のように、多岐にわたる理工系学部を展開しています。
特に理工学部は難関学部の一つとされ、工学系の基礎から応用まで幅広く学べる環境が整っています。一方、生産工学部や生物資源科学部などはやや偏差値が低くなる傾向にあります。
東洋大学も、最近は理系分野に力を入れており、以下の学部を展開しています。
とくに生命科学部や理工学部では、応用バイオや建築、情報通信といった分野の教育・研究が盛んに行われています。なお、川越キャンパスなどやや都心から離れた立地が影響し、偏差値はやや控えめです。
日東駒専の理系学部とよく比較されるのが、**四工大(芝浦工業大学・東京都市大学・工学院大学・東京電機大学)**です。
一般的に、偏差値だけで見ると、四工大が日東駒専理系よりもやや上に位置しています。特に芝浦工業大学は、GMARCHの理系学部とも肩を並べることがあり、受験難易度は高めです。
以下は偏差値帯の大まかな比較です。
大学名 | 偏差値帯 |
---|---|
芝浦工業大学 | 52~64 |
東京都市大学 | 51~61 |
工学院大学 | 52~59 |
東京電機大学 | 48~58 |
日本大学(理工系) | 45~60 |
東洋大学(理系) | 45~55 |
このように、日本大学の理工学部上位学科であれば、四工大の下位学部に迫るレベルですが、その他の理系学部となるとやや開きが見られます。
大学の価値は、偏差値だけでなく「就職力」でも判断されるべきです。特に理系学生にとって、専門性を活かした就職ができるかは非常に重要な要素です。
日東駒専の理系学部からも、中堅企業やインフラ系企業、SIer、メーカーなどへの就職が見込めます。特に日本大学の理工学部や薬学部は、毎年安定した就職実績を誇ります。東洋大学も、生命科学やバイオ分野への就職が一定数あり、研究職や技術職を志望する学生には一定の選択肢が用意されています。
ただし、大手企業への就職となると、やはり芝浦工業大学などの理系単科大に軍配が上がるケースが多く見られます。
日本大学・東洋大学ともに、理系の学部数が豊富で、薬学・バイオ・建築・土木・情報工学など多岐にわたる専攻が選択可能です。自分の興味や将来設計に応じて柔軟な進路選択ができる点は大きな強みです。
特に日本大学は全国にキャンパスを持ち、実験設備や研究環境が整っている学部も多く、学生の学びを後押ししてくれる仕組みがあります。
日東駒専は全国的に卒業生が多く、業界内に広がるOBGネットワークの存在は就職活動の面でも強力な支援となります。大学のネームバリューは、就職先での信頼獲得にもつながりやすいです。
理系に進む学生にとって、学びの深さも重要な評価軸です。四工大や国公立理系学部と比べると、日東駒専の理系は基礎研究や高度な技術教育においてやや物足りなさがあると感じる人もいるかもしれません。
特に理系学部の多くが都心からやや離れた場所にあるため、アクセスの不便さや学生生活の利便性に差が出ることもあります。これが学生人気や偏差値にも多少なりとも影響しています。
また日大は理工学部のキャンパスが途中で切り替わります。こうなると一人暮らしの場所選びも難しく、実家から千葉のキャンパスは遠いが都内のキャンパス通えるためどうするかなどの悩みが発生します。
生産工学部も、1年生が学ぶ「実籾キャンパス」と2年生以上と大学院生が学ぶ「津田沼キャンパス」でキャンパスが変わりますがこちらは立地が近いためあまり悩みにはならないでしょう。
日東駒専の理系学部は、以下のような学生におすすめです。
日東駒専の理系学部は、派手さこそないものの、学部のバリエーション、就職実績、教育環境の3点で非常にバランスが取れており、「大学でしっかり勉強して、着実に就職を目指す」というタイプの学生には非常に向いている選択肢です。
難関校の滑り止めではなく、第一志望としても十分に価値のある大学群であり、特に日本大学の理工系は、四工大の一部学部と肩を並べるレベルに位置することもあります。
将来を見据え、冷静に進学先を選びたい受験生にとって、日東駒専の理系学部は一見の価値があるはずです。
お問い合わせはこちら