大学受験において英語はほとんどの学部で重視されている科目であり、その重要性は年々高まっています。特に一般学部(文学部、経済学部、法学部、教育学部など)を目指す受験生にとって、英語力は合否を左右する大きなカギとなる要素です。
本記事では、一般学部合格を目指す受験生に向けて、英語対策の基本から効果的な学習法、そして学部別の出題傾向まで、体系的に解説していきます。
まず前提として、英語対策の根本的な方針は、どの学部を志望する場合でも大きく変わるものではありません。もちろん大学や学部ごとの傾向はあるものの、「基礎力の充実」と「実践演習の積み重ね」はどこでも共通して求められるものです。
しかし、同じ一般学部であっても学部ごとに重視される英語スキルの違いは存在します。たとえば、英作文が頻繁に出題される文系学部もあれば、長文読解中心の学部もあります。つまり、自分が志望する学部の出題形式や配点比率に応じた対策が必要になります。
多くの一般学部では、合格のために偏差値60〜65以上の英語力が求められます。特に難関私立大学(早慶上智、GMARCH、関関同立など)や国公立大学では、英語の配点が高い傾向にあるため、他科目以上に時間と労力をかける価値があります。
このレベルに到達するには、単に学校の授業をこなすだけでは不十分です。語彙力、文法力、読解力、そして表現力(英作文など)をバランスよく鍛えることが重要です。
時折、志望学部の専門分野に関連した語彙を早い段階から覚えようとする受験生もいますが、まずは受験の王道である基本語彙の習得が最優先です。
一般学部では、特殊な専門用語が入試問題に頻出するわけではなく、むしろ日常的・社会的なテーマの中での表現力や読解力が問われます。したがって、最初はスタンダードな単語帳を1冊選び、それを徹底的に覚え込むことが合格への第一歩となります。
・最初から難解なものではなく、7割くらいは既知の単語で構成されているもの
・語義だけでなく、例文も掲載されているタイプがおすすめ
・繰り返し復習できるように、コンパクトで使いやすいものを選ぶ
一般学部の英語入試では、長文読解が最も比重の高い分野です。特に国公立大学や難関私立大学では、800語〜1000語を超える長文が出題されるケースも珍しくありません。
読解力を高めるためには、以下の3点を意識しましょう。
精読: 文構造を正確に捉える練習(SVOCの把握、関係詞の確認など)
速読: 時間内に内容を理解するためのスピードトレーニング
多読: 英語に対する慣れと読解スピードの底上げ
また、背景知識があると英文の理解が格段にしやすくなるため、日常的にニュースや教養書を英語と日本語で読む習慣もおすすめです。
文法が苦手なまま長文に取り組んでも、内容を正確に把握するのは困難です。特に私立大学では「文法正誤問題」「空所補充」「並べ替え(整序)」など、知識系の出題も多いため、基礎的な文法事項の定着が不可欠です。
おすすめの学習法は、「1冊の文法書を繰り返し学習する」こと。網羅型の文法書を1冊決めて、何周もして理解度を高めてください。応用的な問題を解く前に、基礎を盤石にすることが高得点への近道です。
英作文が出題される大学を志望している場合は、必ず早い段階から練習を始めましょう。自由英作文、和文英訳、条件英作文など出題形式はさまざまですが、共通して求められるのは「論理的な構成」と「正確な表現」です。
・最初は短文の和文英訳からスタート
・徐々に段落構成を意識した英作文にステップアップ
・書いた内容は先生や予備校講師に添削してもらう
模範解答だけに頼らず、自分の文章を客観的にチェックしてもらうことで表現力は飛躍的に向上します。
志望大学の種類によって、出題形式や傾向には違いがあります。
・記述式問題(和訳・英訳・英作文)が中心
・共通テスト+二次試験対策の両立が必要
・論理的思考力と国語力も問われやすい
・マークシート式が主流(文法・語彙・読解)
・大学ごとに出題傾向が明確
・演習量で得点力を上げやすい
自分が受験する大学の過去問を分析し、必要な力を見極めた上で効率的に勉強することが大切です。
英語は、短期間で劇的に伸ばせる科目ではありません。そのため、早めのスタートと計画的な学習が非常に重要です。
最後に、英語対策の鉄則をまとめておきます。
語彙と文法はすべての土台、まずはそこを完璧に
長文は精読から始めて徐々に速読へ
英作文は添削を通して実力を可視化
志望大学の出題傾向に沿った対策が必要
日々のニュースやエッセイを通じて背景知識を養う
英語は努力の積み重ねが確実に結果につながる教科です。地道な学習を重ねることで、どの学部であっても合格ラインに到達する力を養うことができます。
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