受験料・交通費・入学金の現実
大学受験において、出願するのは1〜2校という受験生はほとんどいません。国公立志望であっても私立を5〜8校受けるのは当たり前で、中には10校以上出願するケースも珍しくない。「滑り止めも含めてある程度確保しておく」という戦略が前提になっているのが現実です。
そのうえで、大学受験の費用には大きく3つの柱があります。
| 費用の柱 | 発生するタイミング | 合計の目安 |
|---|---|---|
| 受験料 | 出願時(12月〜2月) | 15〜40万円 |
| 交通費・宿泊費 | 試験当日前後(1〜3月) | 3〜20万円 |
| 入学金 | 合格発表後(2〜3月) | 20〜70万円 |
3つを合わせると、受験に「かかるだけ」で50〜130万円前後になることがあります。入学後の授業料をまだ1円も払っていない段階で、これだけの出費が発生するわけです。

私立大学の一般入試は1校あたり35,000円前後が相場です。これが5校になれば17万5千円、8校なら28万円。さらに共通テスト利用入試を組み合わせると、同じ大学への出願でも受験料が重なります。
共通テスト利用は1校あたり15,000〜20,000円と安めですが、「受かればラッキー」感覚で複数校に出願しやすく、気づけばここだけで5〜10万円になっていたというご家庭も多いです。
| 出願の種別 | 1校あたりの目安 | 出願数の目安 | 小計 |
|---|---|---|---|
| 大学入学共通テスト | 18,000円 | 1回 | 18,000円 |
| 国公立大学(個別試験) | 17,000円 | 1〜2校 | 17,000〜34,000円 |
| 私立大学(一般入試) | 35,000円前後 | 5〜8校 | 175,000〜280,000円 |
| 私立大学(共通テスト利用) | 15,000〜20,000円 | 3〜5校 | 45,000〜100,000円 |
| 受験料の合計目安(国公立志望・私立も複数受験する場合) | 約25〜45万円 | ||
地方に住んでいる受験生が関東や関西の大学を複数受けに行く場合、移動と宿泊のコストはかなりの金額になります。1校あたりの移動費は安くても数千円、新幹線や飛行機を使えば往復で2〜4万円。前日から現地入りして宿泊する場合はそこに宿泊費も加わります。
| 費用の種類 | 内容 | 目安金額 |
|---|---|---|
| 往復交通費 | 新幹線・飛行機(地方から東京・大阪等) | 10,000〜40,000円/往復 |
| 前泊の宿泊費 | 試験前日のビジネスホテル(1〜2泊) | 7,000〜18,000円/泊 |
| 食費・日用品 | 遠征中の食事・コンビニ等 | 2,000〜5,000円/日 |
| 保護者の同行費用 | 親が付き添う場合は2名分 | 上記の約2倍 |
「都市部に住んでいるから関係ない」とは言い切れません。国公立志望の受験生が地方大学の2次試験を受けに行く場合も同じ構図です。また、複数の試験が連続する日程では、往復するより現地に連泊するほうが結果的に安くなることもあります。
同じ「大学受験」でも、文系と理系では出願戦略が違うため、費用の積み上がり方もかなり異なります。さらに学部系統によっては、入学後の授業料まで含めたトータルが大きく変わってきます。
文系は選択できる私立大学の数が多いため、出願数が増えやすいです。「同じ大学の複数学部に出願する」という戦略も一般的で、1大学あたりの受験料が2〜3倍になることは普通に起きます。結果として受験料の総額が理系より膨らみやすいのが文系の特徴です。
入学後の授業料は文系のほうが低い傾向がありますが、受験段階でかかる費用は「多く受けるほど高くなる」構造なので、出願数が多いご家庭は受験料だけで30〜40万円以上になることも十分あります。
理系は工学部・理学部・農学部など学部の種類が文系ほど多くなく、また異なる学部学科を併願することも基本的は無いため、文系と比べて出願できる大学の選択肢が自然と絞られます。
そのため受験料の総額は文系より低めになりやすいです。
反面、合格した後にかかる授業料・実験実習費が高い大学がほとんどです。受験費用だけ見ると安く見えても、入学後のランニングコストは文系の1.3〜1.5倍になることがよくあります。
理系は文系と違い学部学科選びが非常に重要です。例えば「電気科」と「化学科」は中で学ぶこと、主要な科目も物理と化学で違い、就職先も学部学科が大きく影響するため、同じ大学でいろんな学部学科を併願するということはありません。(そもそもできない大学が多い)
就職を掘り下げると、化粧品会社で商品開発をするにあたって、電気回路がいかにうまく組めるかなんてことは役に立ちません。化学反応を以下に理解しているかが大事になります。大学で何を学んだかが就職でも大切になるのが理系の特徴です。
薬学部(6年制)は初年度納付金が理工系より高く、私立では200〜300万円を超える大学も少なくありません。受験費用そのものより、合格してから「本当に行けるのか」という問題が生じやすい系統です。
看護系は国公立の設置数が比較的多く、国公立志望の割合も高いため、受験費用は抑えやすい傾向があります。ただし私立の看護学部は施設設備費の上乗せが大きい大学があるので、実際の納付金は事前確認が必須です。
教育学部・教員養成系は国公立志望の受験生が多く、費用面では抑えやすい系統です。私立の教育系学部も授業料は文系に近い水準の大学が多いです。
| 学部系統 | 受験料の傾向 | 入学金の目安(私立) | 初年度授業料の目安(私立) |
|---|---|---|---|
| 文系(法・経・文等) | 出願数が増えやすい | 20〜25万円 | 80〜120万円 |
| 理系(理・工・農等) | 出願数は比較的少なめ | 25〜35万円 | 120〜180万円 |
| 薬学部(6年制) | 大学の選択肢が限られ、出願が少な目 | 30〜40万円 | 200〜300万円超 |
| 看護・医療系 | 国公立志望が多い | 20〜30万円 | 100〜160万円 |
| 教育・教員養成系 | 国公立志望が多い | 20〜25万円 | 80〜110万円 |
受験費用の中で最も金額が大きく、かつ判断のタイミングが難しいのが入学金の問題です。特に国公立と私立を併願している場合、入学金の二重払いはほぼ避けられない構造になっています。
私立大学の合格発表後、入学金の納付期限は数日〜1週間程度しかありません。この締め切りは、国公立大学の前期試験合格発表より必ず先に来ます。国公立の結果を待ちながら私立の入学金を払わなければ合格が取り消され、払えば国公立合格後にその分が丸ごと消えます。どちらを選んでも何らかの費用が発生する構造で、これは個人の判断でどうにかなる問題ではありません。
| 費用の種類 | 金額の目安 | 返還の可否 |
|---|---|---|
| 入学金(私立大学・文系) | 20万〜25万円前後 | 返還なし |
| 入学金(私立大学・理系) | 25万〜35万円前後 | 返還なし |
| 入学金(国公立大学) | 約28万円(標準額) | 返還なし |
| 授業料の前払い分 | 大学により異なる | 3月31日までの辞退なら返還されるケースが多い |
国公立の前期発表を待ちながら私立2校を確保しておく場合、入学金だけで40〜70万円前後が一時的に必要になります。国公立に進学すれば私立の入学金は戻りません。最初からこれが消える費用として計算に入れておかないと、合格後に資金が足りなくなります。
補欠合格でも事情は同じです。繰り上げの連絡は突然来ることが多く、すでに別の大学の入学手続きを進めているタイミングと重なることもあります。電話で連絡が来る大学もあれば、Web上で自分で確認するタイプの大学もあるので、合格発表後の連絡方法は必ず確認しておきましょう。
受験料・交通費・入学金をまとめて、志望パターン別に総額を試算します。予備校費用は含んでいませんが、受験そのものにかかる金額の目安として参考にしてください。
| 費用の項目 | 目安金額 |
|---|---|
| 受験料(共通テスト+国公立+私立6校) | 約25〜30万円 |
| 遠征費用(交通費+宿泊費) | 約10〜18万円 |
| 入学金(私立1〜2校を押さえ) | 約20〜50万円 |
| 合計目安 | 約55〜98万円 |
| 費用の項目 | 目安金額 |
|---|---|
| 受験料(私立8〜10校・複数学部含む) | 約30〜40万円 |
| 交通費(近郊移動のみ) | 約1〜3万円 |
| 入学金(第一志望+滑り止め1校) | 約40〜50万円 |
| 合計目安 | 約71〜93万円 |
| 費用の項目 | 目安金額 |
|---|---|
| 受験料(共通テスト+国公立+私立4校) | 約20〜25万円 |
| 遠征費用(交通費+宿泊費) | 約8〜15万円 |
| 入学金(私立1校を押さえ) | 約25〜35万円 |
| 合計目安 | 約53〜75万円 |
大学受験の費用は、「いつ・いくら・何のために必要か」がバラバラに発生するため、全体像が見えにくいまま当日を迎えてしまうご家庭が多いです。合格の喜びと同時に「入学金の締め切りが3日後です」という状況は、精神的にも資金的にも追い詰められやすい。
「お金の話を子どもにすると重荷になるのでは」という気持ちはよくわかります。ただ、家族で大まかな金額感を共有しておくことは、入学辞退の判断や複数合格時の選択を冷静に行うための基盤になります。知っておくだけで、いざというときの動きが変わります。
志望校が固まった段階で、各大学の募集要項にある「入学金の納付期限」「入学辞退の手続き方法」「授業料の返還条件」を一覧にして整理しておくことが大切です。特に入学金の締め切りは大学ごとに違うため、合格発表後に慌てて確認するのでは間に合わないこともあります。
・大学受験は5〜10校受けるのが前提で、受験料だけで15〜40万円になる。
・文系は出願数が増えやすく受験料が膨らみやすい。理系は受験料より入学後の授業料が高い。
・遠征受験では1校あたり交通費+宿泊費が1〜3万円かかり、複数校で10〜18万円規模になる。
・私立の入学金は文系で20〜25万円、理系で25〜35万円が相場。辞退しても返還されない。
・国公立志望でも私立を複数押さえると入学金の二重払いが発生する。これは制度的に避けられない。
・受験パターン別の総額目安は55〜100万円前後(予備校費用・模試代は除く)。
・入学金の納付期限と辞退手続きの方法は、志望校の募集要項で早めに確認しておくことが重要。
「受験のお金」を、一緒に整理しませんか。
費用の見通しが立つだけで、志望校の選び方も動き方も変わります。
Ping Point は、数字と戦略の両面から受験をサポートするサービスです。
まずは話を聞くだけでも、歓迎しています。
費用の全体像を整理
受験料・移動費・入学金まで、抜け漏れのない資金計画をサポートします。
出願戦略のアドバイス
どこに・何校出すかで費用は大きく変わります。戦略と予算をセットで考えます。
保護者の不安に寄り添う
「聞いていいのかな」という小さな疑問ほど、早めに話しておく価値があります。
無料相談は保護者・受験生どちらもご利用いただけます。
勧誘・押し売りは一切行っておりません。