日本の高等教育を支える奨学金制度には様々な種類が存在します。この記事では、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金を中心に、その特徴と利用方法について詳しく説明します。
JASSOが提供する奨学金は、大きく分けて「貸与型奨学金」と「給付型奨学金」の2種類があります。
貸与型奨学金には以下の2つの種類があります。
給付型奨学金は返済の必要がなく、学業成績や経済状況に応じて支給されます。支給条件は厳しく、意欲と能力がある学生が経済的理由で進学や進級を断念しないよう支援します。
JASSO以外にも、国や地方自治体、NPO、企業、大学による独自の奨学金制度が数多く存在します。これらの奨学金は複数併用できる場合もあり、経済的に困窮している学生には複数の奨学金を組み合わせて利用することが推奨されます。
日本学生支援機構の調査によれば、大学(昼間部)の学生の47.5%、短期大学(昼間部)の学生の55.2%が何らかの奨学金を利用しています。つまり、大学生・短大生の2人に1人が奨学金を活用して学んでいるのが現状です。
JASSOの奨学金には、「予約採用」と「在学採用」の2つの申し込み方法があります。
原則として、春と秋に在学校を通じて奨学生の募集を行います。募集時期を逃さないように、在学校に確認することが重要です。
採用基準には、「学力基準」と「家計基準」があり、両方の基準を満たす必要があります。例えば、第一種奨学金の予約採用の学力基準は「高等学校等における申込時までの全履修科目の評定平均値が、5段階評価で3.5以上」であるのに対し、第二種奨学金の基準は「高等学校等における申込時までの全履修科目の学習成績が平均水準以上である等」となっています。
文部科学省は2024年度から奨学金制度を改正し、給付型奨学金の利用対象を拡大します。これまで世帯年収が380万円未満で利用できた給付型奨学金は、多子世帯(扶養する子供が3人以上)の場合、上限が600万円まで引き上げられます。また、理工農系学部の学生向けの支援も強化され、新たに約20万人の学生が対象となる見込みです。
奨学金制度は、経済的な理由で学びを諦めないための強力なサポートです。日本学生支援機構をはじめ、国や地方自治体、企業、大学など多様な奨学金制度を理解し、自分に最適なものを活用することが重要です。複数の奨学金を併用することで、経済的な負担を軽減し、安心して学業に専念できる環境を整えましょう。