共通テストは、2021年度から実施されている大学入試制度で、かつての大学入試センター試験に代わる新しい試験です。この試験は独立行政法人大学入試センターによって実施されており、高校教育の学習成果を評価することを目的としています。
主な狙いは、基礎的な学力の確認だけでなく、「思考力」「判断力」「表現力」といった、より総合的な能力を測ることにあります。これは単に知識を覚えるだけでなく、知識を活用して課題を解決する能力が求められる現代社会に対応するための改革です。
共通テストは国公立大学の一般選抜において、一次試験の役割を果たします。これにより、国公立大学を目指す受験生は必ず共通テストを受ける必要があります。試験結果が一次試験の合否に直結するため、非常に重要な位置付けとなっています。
一方で、私立大学においても「共通テスト利用方式」が広がっています。これは、共通テストの得点を大学独自の選抜基準に加味する方法です。この方式を採用している私立大学は多く、国公立大学志望者だけでなく、私立大学を目指す受験生も対策が必要です。
共通テストの特徴の一つとして、問題文が長文化しており、題材が多様化している点が挙げられます。これにより、受験生には問題文を素早く正確に読み解く能力が求められます。特に、限られた時間内で重要な情報を見つけ出し、解答に活用する能力が試されます。
単なる知識暗記型の試験とは異なり、共通テストでは知識を基に新しい考えを導き出す力が問われます。大学入試センターの方針では、教科書に直接記載されていないテーマが出題される場合もあり、学んだ知識を応用する力が不可欠です。これを克服するためには、解説を熟読し、自分の力で問題を解く練習を繰り返す必要があります。
共通テストでは、志望校に応じた目標得点を設定することが重要です。過去の合格者データを参考に、自分の現状と目標との差を分析し、対策を立てましょう。試験結果をもとに志望校を見直す機会もありますが、最終的には個別試験(二次試験)での逆転合格も視野に入れて準備を進めるべきです。
共通テストの範囲は主に高校1年生から2年生までの学習内容で構成されており、基礎的な内容が多いとされています。しかし、基礎だからといって簡単だとは限りません。その背景にある原理や仕組みを深く理解し、それを活用できる状態にまで引き上げることが必要です。教科書や参考書を活用し、基礎事項を徹底的に理解することが第一歩です。その上で、過去問や模試を通じてアウトプットの練習を行いましょう。
センター試験と比較すると、共通テストは単なる知識を問う試験ではなく、知識を活用する能力や情報を素早く処理する力がより重視されています。このため、従来の学習法を見直し、より応用力や実践力を鍛える必要があります。