春のスタートダッシュを終えて、少しずつ暖かくなってくるこの時期。
一見、学習リズムが整ってきて調子が上がる頃に見えますが――実は、浪人生にとって最も落とし穴が多い時期がこの5月・6月なのです。
この2ヶ月をどう乗り越えるかによって、受験までの軌道が大きく左右されることを知っていますか?
春の勢いをそのまま維持できれば理想的。しかし多くの受験生は、この時期に心や体のバランスを崩し、ペースを落としてしまいます。
今回は、浪人生が**5〜6月に直面しやすい3つの「落とし穴」**について解説しながら、どう対処すべきかをお伝えします。
自分がその兆候に陥っていないかを振り返り、学習の方向修正を行う貴重なタイミングとして活用してください。
浪人生活をスタートした4月、多くの人は強い決意と目標に燃えていたはずです。
「今年こそ第一志望に合格する!」という覚悟を胸に、朝から晩まで勉強漬けの日々を始めた人も多いでしょう。
ところが、ゴールデンウィークが終わったあたりから、次第にこんな感情が芽生えてきませんか?
これは典型的な「中だるみ」の兆候です。新しい環境にも慣れ、緊張感が薄れ始める頃合い。そして、「結果が見えにくい」状態に耐えきれず、学習意欲が低下してしまうのです。
特に浪人生は、周囲の現役生と違い“指標”が乏しい時期。進級や授業の変化といった節目がないため、モチベーションの維持が困難です。
5月は、現役で大学に進学した友人たちが新生活に馴染んできて、SNSではサークル、旅行、飲み会、恋愛――華やかな投稿が飛び交う時期です。
そんな中で浪人生はどうでしょう?
予備校か自宅にこもって一人黙々と勉強し、休日もなく机に向かい続ける生活。
この**「自分だけ取り残されたような感覚」**は、心に大きなダメージを与えます。
さらに、仮面浪人生(大学に在籍しながら再受験を目指す人)にとっては、授業と受験勉強の両立という“二足の草鞋”が精神的な圧迫を生み出します。
これは、いわゆる**「五月病」**や、適応障害に近い状態かもしれません。決して「気合いが足りない」とは考えず、心のケアを最優先してください。
浪人生には「休み」という概念があまりないように思えますが、実はゴールデンウィークが大きなリスクを孕む時期です。
例えば、久々に地元に戻ってきた大学生の友達から「遊ぼうよ!」と誘われたとします。
つい一度ぐらいならと外出してしまい、気づけば何日も勉強が手につかない…。
そのまま生活リズムが乱れ、再びペースを取り戻せずに夏へ突入――という人を、筆者は何人も見てきました。
このように、小さな妥協が大きな崩壊につながるのがGWの怖さです。
5月には、予備校主催の全国模試が開催される時期でもあります。
そこで初めて偏差値が出て、「よし、いけるかも!」と自信がつく人もいれば、思うような点数が出ずに落ち込む人も出てきます。
しかし、ここで注意しておきたいのが――5月模試の結果は、あまり当てにならないという点です。
なぜなら、まだ多くの受験生が本格的に勉強を始めておらず、実力の差が出やすい時期だからです。
周囲のレベルが低ければ自分の偏差値は上がりやすく、逆に基礎が固まっていない段階では正当に評価されにくいのです。
この時期に感じる疲労や焦りは、あなたが本気で取り組んでいる証拠です。
問題はそれに気づきながら、「対策を取らないこと」。
逆に言えば、今このタイミングで学習の軌道を修正できれば、夏以降の爆発的な伸びに繋げることができます。
特に浪人生にとって夏は「勝負の季節」です。
現役生も本格的に参戦してくる中で優位に立つには、春からの準備の精度がモノを言います。
小さな気の緩みや、誰にも言えない孤独感――すべてが受験勉強の障害となることを自覚しつつ、自分にとって最も効果的なリズムを探っていきましょう。
あなたの一年が、実りあるものになりますように。5月・6月こそ、自分としっかり向き合う時間にしてみてください。
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