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「Fランク大学」とは?現実と誤解、そして進学の選択について考える
2025.07.17

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「Fランク大学」とは?現実と誤解、そして進学の選択について考える

インターネット上で時折見かける「Fラン大学」という言葉。あたかも何らかの基準で公式に分類されているかのように扱われていますが、実はこの呼称には明確な定義が存在しません。では、Fランク大学とは一体何を指しているのでしょうか?本記事では、この言葉の背景や現実、進学を考えるうえでの注意点や可能性について、できるだけフラットな視点で紹介していきます。


Fランク大学の実態とは?

そもそも「Fランク大学」とは、偏差値や合格ラインなどの基準で、他の大学と比較して非常に入りやすいとされる大学のことを指して用いられる俗称です。特に、入試の競争率が著しく低く、志願者の大半が合格するような大学は、「ボーダーフリー(Border Free)」、つまり合格のボーダーラインが存在しないとも表現されます。

一部の教育系情報サイトでは、偏差値35未満の大学がこのボーダーフリーに該当するとされ、偏差値欄に「BF」と記載されることがあります。ここから転じて、「BF=Fラン」と捉えられるようになりました。しかし、この分類はあくまで私的なものであり、文部科学省や大学入試センターなどの公的機関が公式に「Fランク大学」と認めているわけではありません。


世間のイメージと現実のギャップ

Fランクという言葉は、しばしば「勉強しなくても入れる大学」として揶揄される傾向があります。このイメージが独り歩きし、「Fラン大学=努力しない学生の集まり」といった偏見に繋がることもあります。しかし、そうした一括りの見方は、必ずしも事実を正しく反映しているわけではありません。

たしかに入学難易度の低い大学では、学力の差が激しい場合があり、なかには高校レベルの基礎から再スタートしなければならない学生もいます。英語の授業でbe動詞から始まったり、数学で分数計算を復習するケースもあるほどです。しかし、それをもって「大学としての価値がない」と断じるのは早計でしょう。


学びの姿勢とモチベーションの問題

Fランクと呼ばれる大学では、入学者の学習意欲が全体的に低めであるとされることもあります。目標や動機が不明確なまま進学する学生が多いと、キャンパス全体の学習雰囲気が緩くなりがちです。その結果として、真剣に学びたい学生がモチベーションを保ちにくい環境に置かれてしまう可能性も否定できません。

また、時間を持て余してアルバイトに明け暮れたり、課題を後回しにする生活に慣れてしまう学生も一定数存在します。こうした状況は、学びの質を損なうばかりか、大学生活そのものの意味を見失ってしまう要因になりかねません。


教育の質とコストのバランス

大学に通うには、学費を含む経済的負担が伴います。私立大学であれば4年間で400万〜500万円程度がかかるのが一般的です。ところが、Fランクとされる大学のなかには、教授陣やカリキュラムの充実度が他の大学に比べて見劣りするという指摘もあります。

つまり、支払った費用に対して十分な教育効果が得られていない可能性もあるということです。これは教育機関としての問題というよりも、入学時点の学生の学力と大学の教育内容に乖離があることから生じる課題といえるでしょう。


中退率の高さとその背景

入学のしやすさは魅力ですが、反面として中退率が高い傾向にある大学も存在します。文部科学省の調査によると、大学全体の中退率は平均して2〜3%程度ですが、偏差値が低い大学ほどその割合が高くなる傾向があり、中には20%を超えるケースも報告されています。

背景には、授業内容に適応できない、将来の目標が定まらない、人間関係で孤立してしまうといった複合的な問題があります。つまり、学力の問題だけでなく、大学生活への適応力そのものが問われているのです。


就職活動での苦戦と学歴フィルター

卒業後の進路において、Fランク大学出身者は就職活動で困難に直面することがあります。特に人気の高い企業では、いわゆる「学歴フィルター」が存在しているとされ、一定の偏差値以下の大学の学生は書類審査の段階で落とされることもあるといわれています。

もちろん、これは公にされている制度ではなく、企業によって対応は異なります。しかし現実として、偏差値の高い大学の学生と比べて、Fラン大学出身者の就職率や内定の質に差が出ることは少なくありません。

しかも、大学側が発表している「就職率99%」といった数字にはカラクリがある場合もあります。たとえば、就職希望者のみに母数を限定し、アルバイトや契約社員も「就職者」としてカウントするなど、実態を正確に表していない可能性があります。


それでも進学する価値はあるのか?

ここまで聞くと、「じゃあFラン大学に行く意味なんてないのでは?」と感じるかもしれません。しかし、それは早とちりです。Fランク大学であっても、そこでどう過ごすかが重要であり、学ぶ意欲次第ではいくらでも人生を切り開くことができます。

まず、学歴が「大卒」として認められるという点は大きなメリットです。求人の中には「大卒以上」を応募条件にしているものが多く、学歴が条件で選択肢が狭まるのを避けることができます。また、大学では専門分野を深めたり、幅広い教養を身につけたり、資格取得や留学など多彩なチャレンジも可能です。

さらに、大学は単なる「学びの場」だけではありません。人間関係の構築、社会性の習得、時間の管理、自主性の育成といった、人生にとって重要なスキルを身につける貴重な期間でもあります。


自分次第で未来は変えられる

Fラン大学であっても、目の前の課題に真摯に向き合い、資格やスキルを磨き、積極的にインターンやボランティアに参加することで、確実に評価される力を蓄えることができます。特に公務員試験などは、出身大学よりも筆記試験と人物評価が重視されるため、学歴フィルターの影響を受けにくい分野です。

さらに、転職が当たり前の時代では、一度目の就職に失敗したとしても、キャリアを積み直すチャンスがいくらでもあります。最初の大学選びがすべてを決めるわけではありません。


最後に:ラベルよりも行動がすべて

「Fランク大学」という言葉には、ネガティブな印象がつきまといます。しかし、そのラベルが未来を決定づけるわけではありません。どの大学に進もうとも、最終的に自分の人生を切り開くのは、行動と思考力です。

進学を考える際には、偏差値やイメージだけで判断するのではなく、自分自身がどんな目的を持ち、何を成し遂げたいのかを軸に選択することが大切です。学ぶ場は選べても、学ぶ姿勢は自分でしか決められません。どんな環境に身を置いたとしても、自分自身の努力次第で未来は確実に変えられるのです。



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